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東京大学運動会馬術部のブログ。部員たちが交代で勝手気ままに更新していきます。HP→http://equestrian.fc2web.com/
 【七大戦ブログ】NDの北海道周遊記【その3】
2019年07月15日 (月) | 編集 |
あれから一年が経った。一年。俺の頭から七大戦の記憶が抜け落ちていくのに十分な時間だ。この【その3】を書こう書こうと思いつつどんどん後回しにしてこの体たらくになってしまった。そもそも【その1】から【その2】を書くまでに1ヶ月もかかってしまった時点で、この結果はわかっていたことだ。

一年。長いようで短いようで長い一年だった。一年の時が流れる間に、OHAは昨年の自馬で引退し、俺も先月の関東で引退を迎えてしまった。春の甲子園は愛知の東邦の優勝(それも平成最初と最後の優勝だ)で終わり、その東邦は夏の地方大会2回戦でコールド負けした。【その2】を書いた当時、薄々こうなる予感はしていたが、現役ではなくなって初めてこんなものを書く余裕が生まれたので致し方ないかもしれない。



*   *   *   *


これは、2018年度の七大戦@北海道に出場した筆者のブログの【その3】になります。過去編は以下を参照ください。

【その1】

【その2】


*   *   *   *



確か、前日の朝よりは気持ちいい寝起きだったような気がする。ブランケットを確保したからだ。自遊空間を出て直接現地に集合した、と思う。なにせ記憶があやふやなのだ。
この日は障害飛越競技だった。90cm障害だったと思うが、100cmだったかもしれない。リバプールもあって、普段やらないような難しいコースだった。やっぱり100cmだったような気がしてきた。うん、100cmだった。
俺は、北創号という17歳の総合馬に騎乗することになった。3人の順番は、正直あまり覚えていないが、OHA→俺→Sだったと思う。このとき、東京から鞭を持ってくるのを忘れ、北大のものをお借りした。北大のみなさん、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。


OHAが乗った馬は、芦毛の若めの総合馬だった。北大の方の話では、練習時にそんなに走ったりすることはないとのことだったが、コースを回っているうちにどんどん加速していき、6番障害あたりからOHAのコントロールを離れて爆走し始めた。その芦毛はなかなか止まる気配がなく、OHAは周りの人から「巻き乗りー!」と叫ばれるも巻き乗りできず(OHAは『それどころじゃなかったのよ』と述懐している)、暴走は体感10分弱続いた。その間に、この馬が走り回る軌道の先に障害が置いてあるという場面があったが、難なくジャンプして爆走を続けた。通常は馬が障害を見て止まったり速度を緩めたりするものだが、そんなそぶりは一切見せなかった。

そうこうしているうちに今度は別の問題が発生し始めた。OHAのヘルメットのあごひもが緩かったらしく、ヘルメットがOHAの頭から徐々に右側にずれ落ち始めたのだ。しまいにはメットのひもがOHAの片側の耳にかかっているだけとなり、OHAの視界を遮るようにぷらぷらと揺れだした。俺はこの状況をハラハラしながら見守っていた。元のように戻そうにもOHAは馬にしがみつくのに精一杯であり、もしこのまま地面に激突すれば、最悪頭蓋骨骨折だ。絶対落ちるなよ、死ぬ気でしがみついとけ、と心の中で念じながらことの成り行きを見守るしかなかった。結局みんなで総動員してラチやら横木やらで進路を塞ぎ、なんとか馬を落ち着けることに成功した。1回落ち着いたと思ったらまた走り出す、というハプニングはあったもののOHAは無事に下馬し、危険Eとなった。


続いて俺の出番である。
結果から言うと、北創号は完璧だった。まだOHAの爆走のざわめきが残る中でスタートしたが、なんてことはなく無事に減点0で帰ってくることができた。しがみついているだけで、三鷹でも当時練習したことのなかったような難度のコースを帰ってくることができた。北創号は自分の仕事がわかっているようで、スイスイと障害を飛び越えていった。非常に安定感のある走りだったし、俺の下手くそな飛びを意に介することはなかった。今までで乗った中で一番安定感のある馬だった。どうやったらこんなにいい総合馬を育てられるのか教えて欲しいくらいだった。今三鷹にいる馬でこの馬よりいい飛びの馬はいないだろう (ここで言う”今”とは、当時のことでもあるし、このブログの執筆時のことでもある)。この馬に乗れただけで北海道まで来た元は取れたと言っても言い過ぎではない (やっぱり航空券うんぬんで大損してるし言い過ぎかも…)。


そして最後にSの出番。
Sは落馬失権したのだが、よくわからないところで落ちた。障害を飛んだ後でも飛ぶ前でもなくその間、障害間の何もない場所で落ちた。強いて言えば少し急な回転だった。実際、少し遠心力に耐えきれずに落ちたように見えた。


このSの落馬で、同組内での順位は最下位かと思われたが、奇跡的に九大を上回った。OHAと同じ馬に乗った人は同じように走り回っられて失権、Sと同じ馬に乗った九大の選手はSの失権より手前で失権し、北創に乗った選手は経路を見失った。名古屋との三校の構成の一班では2位につけた。


全員の出番が終わり、結果が出るまでの間、それぞれがそれぞれの乗った馬に会いに行った。北創はちょうど体を洗われているところだったので、昨日買っておいたニンジンをあげて労をねぎらった。そう、昨日北大から帰る途中、近くのスーパーでニンジンを買っておいたのだ。残り少ないなけなしの手持ちで!(これ大事!)
よく味わって食べろよ北創。彼は一本目はモリモリ食べたが、おじいちゃんなのかあまり食欲がないらしく、2本目は途中で食べるのをやめたそうにしていた。しかしなけなしのお金で買ったニンジンを残されるのはもったいないので半ば強引にねじ込むようにして全部食べてもらった。


北創

北創。かわいい。




二日間のポイントを合計した結果、東大は六大学中五位だった(阪大は馬術部がないため七大戦だが六大学)。ぜひ来年は(来年と言っても今年だが)3位以上のAクラスを目指して後輩たちには頑張ってほしい。



北大で解散した後、前日から開催されていた北大の学園祭に行くことにした。OHAとSは先に行ってしまったため、あとを追う形でキャンパスに入る。北大は馬場とキャンパスが近くて羨ましかった。


北大には留学生が多いのだろうか、国際色豊かな屋台がズラっと並木道に並んでいたことを覚えている。だが、それらを楽しむことは叶わなかった。理由は非常に単純で、お金がなかったからである。財布の残金が500円ほどしか残っていなかった。

見て回っている途中で、OHAからお金を貸してあげてもいいよ、という連絡が来て、ケバブの屋台に並んでいるというOHAとSを必死で探したのだが見つからなかった。そこでもう全てがめんどくさくなり、荷物も抱えていたししんどかったので、もうお金借りなくていいよ、と言ってしまったのである。



北大キャンパス

北大のキャンパス。OHAとSはこのあたりにいたらしい。




とはいえ、全く何も買わずに立ち去るのはつまらない。そこで、一品だけなんでもいいから買って食べることにした。そして屋台の厳選が始まった。色々見て回り吟味した結果、あるソフトクリームが候補の筆頭として上がってきた。お値段350円。なんの味かは忘れたが、とにかくうまそうで大人気らしい。小一時間考えた結果、ギリギリなんとかなるだろうと判断して店に足を踏み入れた。波乱だらけのこの旅程も終わりよければ全て良しだ。大人気ソフトクリームでこれまでの失態は全部チャラだぜ!

しかし半地下のカフェの店内で俺は絶望することになる。なんと、あまりの人気のため材料の在庫が切れ、しばらく準備中とのことだった。一気にワクワクを削がれた俺は仕方なく他の候補に切り替えることにした。
店の外に出て改めて財布の中身を確認した俺に、さらなる衝撃の事実が待っていた。




なんと残金は300円しかなかったのだ!




なんということだ!俺は頭を抱えた。先ほどの小一時間はなんだった?350円のソフトクリームを買うか買うまいかで悩んだ小一時間はなんだったんだ??




そう、無駄だったんだ!!




かくして絶望に打ちひしがれた俺は結局250円で胡麻団子(5個入り)を買い、それで満足することにした。中華料理屋に行けばデザートとして出てくるアレだ。なんとなく500円は残ってる気がしてたんだけどなあ……甘かった。この時の絶望感は一年以上経った今でもはっきりと思い出せる。

胡麻団子を食べ終えた俺は、やることもなくなったので北大を出て札幌駅周辺に向かった。この後どうしたか若干記憶が曖昧だが、確かセブンイレブンに行ってありったけのnanacoの残高(確か300円くらい?)でお茶とお菓子を買った。ポイント交換も駆使して全財産を投入した気がする。そしてこのとき、銀行口座から少しでも引き出しておけば安心できると思って引き出そうとしたが、1000円単位でしか引き出せなくて発狂しそうになった(口座残高は500円)。
札幌から新千歳空港までと羽田から家までの電車賃が足りるか心配だったが、なんとかPASMOの残高で足りる計算だ。搭乗時間までの数時間を、俺は新千歳空港の待合所でお菓子を細々と貪りながら過ごした。腹が減った。
俺が当時残していたメモによると(ブログのネタのために簡単なメモを残していた)、手持ちの現金56円、nanacoに43円とPASMOに391円、そして言いようのない疲労感と空腹と倦怠感を手にして俺は帰宅した。


*   *   *   *


以上が【七大戦ブログ】NDの北海道周遊記【その3】となる。いかがだっただろうか。時間が経てば経つほど記憶が薄れ、モチベーションが下がり距離を置いていたこのタスクを、完結させねばならぬという使命感のみで書き上げた。【その3】を待っていた読者(そんな人間はいるのだろうか?)には大変長らくお待たせしたことをお詫び申し上げたい。くだらない文章を書くのにもある一定の労力とひらめきが要るのだということをわかっていただきたい。これで思い残すことは何もなくなった。

最後になりますが、主幹校である北海道大学の馬術部の皆さん、並びに共に出場した他の4大学の馬術部の皆さん、お世話になりました。ありがとうございました!



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 【結果】女子自馬・男子自馬・会長杯2018
2019年02月04日 (月) | 編集 |
あけましておめでとうございます。
もう2月になってしまいました。更新が滞っていてすみません。

大変遅ればせながら、昨年12/1〜2にかけて津久井馬術場で行われました第56回関東学生馬術女子競技会(女子自馬)、第3回関東学生馬術男子競技会(男子自馬)、並びに平成30年度関東学生馬術協会会長杯争奪戦の結果をお知らせいたします。

☆第56回関東学生馬術女子競技大会@津久井馬術場(12/1-2)
○馬場馬術競技(12/1)
・関口茉莉恵(3年)&東彗 61.066% →13位/45人馬
・松本彩海(3年)&東鈴 59.400% →17位/45人馬
・鈴木穂香(3年)&東純 54.466% →37位/45人馬
・小林知奈(2年)&東冠 54.133% →39位/45人馬
⇒団体4位/10大学
○障害飛越競技(12/2)
・松本彩海(3年)&東鈴 2反E
・羽生文子(3年)&ジムニー 落馬E

☆第3回関東学生馬術男子競技大会@津久井馬術場(12/1-2)
○馬場馬術競技(12/1)
・勝健太(3年)&東冠 55.933% →21位/35人馬
・野田正英(3年)&東純 55.433% →24位/35人馬
・比舗新(2年)&東彗 EL
⇒団体7位/7大学
○障害飛越競技(12/2)
・勝健太(3年)&ジムニー
 (本走行)タイム55.89 タイム減点0 障害減点0 総減点0
 (ジャンプオフ)タイム52.42 タイム減点0 障害減点4 総減点4
 →9位/25人馬(完走21人馬)

☆平成30年度関東学生馬術協会会長杯争奪戦@津久井馬術場(12/1-2)
○馬場馬術競技A2課目(12/1)
・鈴木穂香(3年)&東皇 62.500% →3位/19人馬
○小障害C飛越競技(12/2)
・金久保拓真(2年)&東遊 タイム74.14 タイム減点3 障害減点0 総減点3 →22位/31人馬(完走26人馬)
・鈴木穂香(3年)&東遊 45秒E
○小障害A飛越競技(12/2)
・野田正英(3年)&東蓬 3反E
・原田みなみ(3年)&ジムニー 3反E

※自馬大会の馬場馬術競技はL1課目でした。

4年生が引退した直後に行われた今回の津久井での試合は、東大馬術部の次代を担う3年生、2年生が出場し、部の総力をあげての試合となりました。
馬場馬術では、女子自馬で団体4位という近年稀に見る快挙を成し遂げました。
一方、障碍馬術では悔いの残る結果となってしまったものの、主将の勝と東大馬術部の誇る名障碍馬のジムニーが本走行を減点0で駆け抜けてジャンプオフに進出し、会場を沸かせました。
次の試合シーズンに向けて部員一同、精力的に練習に取り組んで行きたいと思います。
応援してくださったOG、OBをはじめとする皆さま、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

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定番のチーム東大集合写真です。
お疲れ様でした!

 【結果】全日本学生馬術大会2018
2018年11月20日 (火) | 編集 |
更新が滞っており申し訳ございません。

11/3~7にかけて山梨県馬術競技場にて開催されました、全日本学生馬術大会2018の結果をお知らせ致します。
今回、東大は総合馬術競技に1人馬が個人出場しました。

☆総合馬術競技(11/6-7)
・関希実(4年)&東陽
 (調教審査)53.38% 減点46.6
 (耐久審査)タイム7m34s タイム減点54.4 障害減点0 総減点54.4
 (余力審査)2反抗E

今年も、人馬共に怪我なく、無事に全日を終えることが出来ました。
OB・OGの皆様をはじめとする多くの方々にご支援・ご声援いただきましたこと、感謝申し上げます。本当にありがとうございました!
来年の関東、そして全日で、より良い成績を目指せるよう、部員一同精進して参りますので、今後とも宜しくお願い致します。

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チーム東大集合写真

 【結果】第53回オリンピック記念馬術大会・9月トライアル
2018年09月26日 (水) | 編集 |
9/21-23に山梨県馬術競技場にて開催されました、第53回オリンピック記念馬術大会および総合馬術トライアルシリーズ(9月)の結果をお知らせ致します。

☆第53回オリンピック記念馬術大会・第52回東京障害飛越選手権
○第1競技 FEI総合馬術競技2スター2009馬場馬術競技A(9/21)
・関希実(4年)&東陽 57.88% →14位/18人馬
○第17競技 東京障碍飛越100-Ⅱ(9/23)
・関希実(4年)&東陽 タイム110.97(加算タイム6.00) タイム減点11 障害減点12 総減点23 →12位/17人馬(完走12人馬)

☆総合馬術ホーストライアルシリーズ(9月)
○第2競技 EV90競技(9/21-23)
・関希実(4年)&東鈴
 (馬場馬術)64.57% 減点35.4
 (障害馬術)タイム90.70 タイム減点22 障害減点8 総減点30
 (クロスカントリー)タイム5m22s タイム減点22.0 障害減点0 総減点22.0
 減点合計87.4 →12位/26人馬(完走13人馬)

応援ありがとうございました。



 【結果】第88回関東学生馬術争覇戦
2018年09月18日 (火) | 編集 |
9/8~9に津久井馬術場にて開催されました第88回関東学生馬術争覇戦の結果をお知らせ致します。

○1回戦(vs東海大)
●東蓬
・関希実(4年) タイム59.88 タイム減点0 障害減点0 総減点0
・鈴木康介(東海大) タイム63.97 タイム減点1 障害減点0 総減点0
→東京大の勝ち
●海姫
・赤澤冬佳(東海大) タイム56.44 タイム減点0 障害減点0 総減点0
・勝健太(3年) タイム62.07 タイム減点0 障害減点4 総減点4
→東海大の勝ち
●東鈴
・松本彩海(3年) タイム58.38 タイム減点0 障害減点4 総減点4
・小川椋輔(東海大) タイム78.43 タイム減点3 障害減点8 総減点11
→東京大の勝ち
●海奉
・山本雄大(4年) タイム62.04 タイム減点0 障害減点20 総減点20
・小原優平(東海大) タイム61.10 タイム減点0 障害減点8 総減点8
→東海大の勝ち
東京大 勝ち点1 対 東海大 勝ち点3 により東海大の勝ち
○4,5位決定戦(vs法政大)
●法泉
・杉村茉美(法政大) タイム60.81 タイム減点0 障害減点4 総減点4
・鈴木穂香(3年) タイム64.53 タイム減点0 障害減点4 総減点4
→法政大の勝ち
●東蓬
・野田正英(3年) タイム103.25 タイム減点9 障害減点8 総減点17
・衛藤みのり(法政大) タイム75.13 タイム減点2 障害減点4 総減点6
→法政大の勝ち
●ヤマニンエミュ
・村山杏実(法政大) タイム64.63 タイム減点0 障害減点0 総減点0
・山本雄大(4年) タイム57.78 タイム減点0 障害減点0 総減点0
→東京大の勝ち
●東鈴
・関希実(4年) タイム62.51 タイム減点0 障害減点0 総減点0
・太田直希(法政大) タイム58.12 タイム減点0 障害減点12 総減点12
→東京大の勝ち
東京大 勝ち点2 総減点188 対 法政大 勝ち点2 総減点521 により東京大の勝ち
→団体4位/5大学

応援ありがとうございました。
全日まであと1か月半を切りました。今後とも応援宜しくお願い致します。