東京大学運動会馬術部のブログ。部員たちが交代で勝手気ままに更新していきます。HP→http://equestrian.fc2web.com/
 【特集】イギリス馬紀行
2013年10月08日 (火) | 編集 |
7時間の時差の彼方、夜深き日本の目は、
スクリーンの先に広がる緑の舞台へと向けられていた。

日の丸を胸に抱く黄金と漆黒の両騎を、
容赦なく突き放してゆく、一つの影。

それは当地最大の、当大陸最大の栄光を守る、
聖女の姿にさえ映った。


はい、久しぶりの執筆となります、3年の和田です。
一昨日の凱旋門賞、自宅で観戦しておりました。
今年も、いや今年ですら勝てないのかと、
非常に悔しい気持ちで一杯になりました。

今年はかなり気合いを入れて応援しました。
こんなもの↓を買ったりして。

IMG_0802.jpg


一体何かと言いますと、凱旋門賞の前売り馬券です。

...はい、そろそろお気づきの方もいらっしゃるかと思われます。

日本では海外競馬の馬券は買えないこと、
そしてこれが外国で発売されていたものであること。


その通りです、私はこの夏の間、
イギリスに滞在しておりました。

今回の滞在は、所属学科の教授に声をかけられたのがきっかけです。
4週間のうち、前半は法学・古典学の授業に参加し、
後半は自主研究の期間となったので、もちろんテーマは馬。
各地の競馬場と寮とを往復する毎日が始まりました。

本稿では、そんな私の夏の記録を、

・ニューマーケット競馬場編
・オールドメイナー・ライディングスクール編


の二本立てでお送りさせていただきます。

 ...前置きだけで普通の記事一本分位になってしまいました


☆ニューマーケット競馬観戦記

17世紀初め、この地へ保養に訪れた国王が馬に乗って、
他の馬と競走を行うようになったことに端を発する、
近代競馬の聖地・ニューマーケット。
幼い頃から憧れ続けていたコースに、このたび足を踏み入れました。

時は8月24日、早朝にオクスフォードの寮を出て鉄道で約2時間、
まずは駅から少し歩いて競馬博物館に向かいます、その入口。

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うわっ、いきなり20世紀最高級の名馬がお出迎えか。
小さな体で敵を蹴散らし続け、
今も多くのサラブレッドにその血を残す伝説の馬・ハイペリオンの像です。
館内に骨格が展示されており、あれっ意外と馬格あるなーと思ってよく見ると、
台座に乗せて10cm位体高を盛った状態でした。
もしかしたら今のミラージュより小さかったんじゃないのか、この馬。

館内ではイギリスで競馬が発達してゆく歴史が多元的に紹介されており、
私は目から鱗を掃き出すマシンガンとなっていました。
100年、200年前の品々が何食わぬ顔で並ぶ姿に、
ただただ圧倒されるのみです。

知的欲求のつかみ取り大セールをお昼過ぎまで行ったのち、
シャトルバスに乗っていよいよ競馬場へ。

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交差点の銅像を見るだけでもドキドキが止まらなくなります。

市街地を外れて地平線が開けた先には、一面の緑の世界。


来た。来てしまった。とうとう来てしまった。


グランドスタンドへ向かう足取りはどこか震えていたかもしれません。

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さっそく場内で専門紙を広げ馬券の検討をする一方、
本場の競馬ならではの光景を色々と探してみました。

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オッズや着順の掲示板。とてもアナログですね。

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年間パス所有者用エリア。
中ではワインを空けている人が多数いました。

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そしてこれが馬券です。日本と比べてみましょう。

IMG_0391[1]


知らない人からすれば呪いの御札にしか見えないかもしれません。
ざっくり解説すると、あなたは3番の馬に£2賭けました、
もし勝てば£11戻ってきますよ
、という意味です。

こうして全レースを観戦し買い続けた結果、
この日は日本円にして約3000円ほどプラスになりました。
調子の良い騎手を中心に買ったのが大成功だったようです。

乗り手の腕前って大事だなぁ。
おれももっとちゃんと乗れるようにならないとなぁ。

財布も心も一杯にして、帰途につきました。




☆オールドメイナー・騎乗レポート


7つの競馬場を回り終え、帰国を3日後に控えた9月5日、
オクスフォード郊外にあるオールドメイナー・ライディングスクールにお邪魔してきました。
イギリスは街と街の間が明確な農牧地になっており、
少し街を出れば馬のいる牧場がたくさん目に飛び込んできます。
ここもそういった街の境目にある乗馬クラブでした。

今年は海外での乗馬経験がある一年生もちらほらいることから、
馬乗りは国際共通語なのか?というテーマも抱きながら、
クラブハウスへ入ってみました。
当方が日本の大学で2年間馬に乗っている者だと告げ、
練習を見てもらいました。

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軽速歩はrising trotって言うんですね。
Draw a circle!ってつまり巻乗りですよね。
やっぱりこっちでもLeg!Leg!!って言われるんですね。


言葉は違えど馬上には国境なし。
細かい指導は何度も聞き返し確認をとりながらでしたが、
実のある練習となりました。

今回乗せてもらったのはチャーチル号という中間種?の馬。
始めたての人でも騎乗できる、大人しい馬ということでした。
がっしりした体つきで反応は重め、回転で少し硬くなっていましたが、
ひと月乗っていない人間の反応の問題も大いにありました。

口元はとても柔らかく、
手元で何もしなくてもジックリ乗っていられる良い馬でしたが、
回転で人間のバランスが崩れ、
意図せず駈歩を落とされることが多かったです。

約70㎝まで単発で飛ばせてもらい、
飛越姿勢の確認や正しい誘導の練習を行いました。
ただ、飛越後左右にふらつくのを最後まで正せませんでした。
鞭を使っていく選択肢をとるべきでした。

それでも、インストラクターの方にはえらく褒めちぎっていただきました。
この馬でこんな高さを飛んだのは初めてだ、とか。
畏れ多い限りです。騎乗料に褒められ料も含まれていたのでしょうか。

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練習後、チャーチルの長い体毛は陽の光を照り返し、
うっすらと汗を浮かべていました。
暑い中、しがない東洋人のリハビリに付き合ってくれてありがとう。
オールドメイナーの皆様も、
また縁あって立ち寄りました際には、宜しくお願い致します。




そして私はいま日本で、Web係の頼みとあって引き受けたものの、
結局ひと月近くほったらかしていたこの稿を仕上げております。

既に季節はスポーツの秋、毎週のように試合が続く、
「いつもの馬術部の秋」。
この夏イギリスで体験した、普段と違う馬の姿を胸に、
走り抜けていきたいと思います。
本稿を御覧の皆様には、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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